電子工作教材ちょこまカーの極意を伝授

トランジスタの入手

 

日本では入手しにくいC8550とC8050

教材キットを製造している工場がある中国ではC8550とC8050はよく使われるトランジスタだそうですが、日本国内ではほとんど売っていません。
 代わりに日本製の2SA950(PNPタイプ)と2SC2120(NPNタイプ)が使えます。 ちょこまカーを開発したときはこれらを使っていましたが、教材キットが中国で生産されることになり、中国でより安く手に入るC8550(PNPタイプ)とC8050(NPNタイプ)に変更されました。
 他にも使えるトランジスタはたくさんあります。ここではいくつかの組を紹介しておきます。選定する基準は後で示します。
 2SA854 / 2SC1741 (ローム)
 2SA1296 / 2SC3266 (東芝)
 2SA1013 / 2SC2383 (東芝)

どこで買えますか?

特定の店をひいきするわけではありませんが具体的に買える店を紹介する必要もあるので、名前を挙げておきます。 秋月電子、マルツパーツ館、サトー電気、千石電商などで購入できます。それぞれ通販サイトもあります。

YとかGRという記号が付いていますが……

実際に買おうと思うと2SA950-Yとか2SA950-GRというような記号が付いていることに気づくでしょう。これはベース電流に対して何倍のコレクタ電流が流れるか(電流増幅率)によるランクを表しています。 ちょこまカーの場合、YでもGRでもほとんど差が出ませんからどっちを買ってもいいです。
 ちなみにYとかGRは東芝特有の記号です。これは1960年代トランジスタが金属パッケージだった頃、ランクを色で表示していた時代の名残で、電流増幅率が低い方からRed, Orange, Yellow, Green, Blueの点が付いていました。それをR, O, Y, GR, BLと略したものです。 メーカーによってランクを表す記号は違います。

2SA1015 / 2SC1815は使えませんか?

2SA1015 / 2SC1815は電流容量に不安があります。モーターの抵抗値を測ってみると4オーム位しかありません。4オームに1.5ボルトの電圧がかかると0.375アンペア(375ミリアンペア)の電流が流れます。 それに対して2SA1015 / 2SC1815のコレクタ電流は最大150ミリアンペアなので、2SA1015 / 2SC1815は使えません。ただし、モーターに電流を流しているのはTR3とTR6だけですから、TR1, TR2, TR4, TR5には使えます。

SS8550 / SS8050というトランジスタは使えませんか?

使えません。足(リード線)の並び方がC8550 / C8050と違うからです。
 C8550 / C8050: パッケージの平らな面から見て左から
  E(エミッタ)ーC(コレクタ)ーB(ベース)
 SS8550 / SS8050: パッケージの平らな面から見て左から
  E(エミッタ)ーB(ベース)ーC(コレクタ)

 国産のトランジスタはほぼ例外なくE-C-Bという並びになっています。SS8550 / SS8050というのはフェアチャイルドという由緒ある半導体メーカーのトランジスタで、それと同じ仕様のトランジスタが中国やインドでも製造されて、S8550 / S8050など、数字の部分は同じで最初の英文字だけが違う型番を付けて売られています。 ところがC8550 / C8050はSS8550 / SS8050と電気的には同じ仕様で足の並びだけ違います。

トランジスタの選定基準

 ・形がTO92, TO92Mなど小さい3本足のパッケージ。
 ・足の並びがE-C-B。日本製なら一部の高周波用を除いて合格です。
 ・コレクタ電流容量が500ミリアンペア以上あること。
 ・耐圧は15ボルトより低い製品はないでしょうから事実上チェック不要。
 ・内部でダーリントン接続になっているのは不可(2SB/2SDは要注意)。
電流容量が大きく違うPNPタイプとNPNタイプを組み合わせると回路動作が非対称になります。できればコンプリメンタリーペアを使ってほしいです。