電子工作教材ちょこまカーの極意を伝授

可変抵抗器とスイッチとバルブ

 

可変抵抗器とスイッチ

最近のラジオやテレビの音量調節はほとんどボタン式になってしまいましたが、オーディオアンプの音量は回転式のつまみ(ノブ)で調節するものがまだ多いようです。つまみの正体は可変抵抗器です。装置のパネルに可変抵抗器を取り付け、その軸につまみを取り付けて回しやすいようにしてあるのです。 下の写真はアナログ式オシロスコープに使われているつまみです。

写真:オシロスコープの調節つまみ

可変抵抗器は軸を回すと抵抗値が変えられる抵抗器です。次の写真はパネル用の可変抵抗器です。常に軸を回転させて使うので耐久性が高く作られています。

写真:パネル用可変抵抗器

これに対し次の写真はプリント基板に直接取り付けるタイプの可変抵抗器です。装置の外から回せるようなつまみは付いていません。このタイプは回路の初期調整に使うので「トリマ抵抗器」(トリムというのは調整のこと)と呼ばれたり、初期調整の後は二度と抵抗値を変更しないかメンテナンスの時にたまに変更するだけなので「半固定抵抗器」と呼ばれたりします。

写真:トリマ抵抗器

このタイプはあまり何回も回転させないので耐久性はあまり高くありません。ちょこまカーに使われているのもトリマ抵抗器ですね。

 ところでスイッチはどんなものかの説明はいらないでしょう。しかし、スイッチは見方によっては電気抵抗が無限大とゼロ(実際には何ミリオームかの抵抗はあります)の両極端に変化する可変抵抗器とも言えます。可変抵抗器とスイッチは水回路ではバルブ(弁)に対応します。

ボールバルブ

水のバルブにはいろんな形式があります。次の図はそのうちのボールバルブという形式のバルブの構造を示しています。ボールバルブには配管と同じ直径の孔があいたボールが入っていて、ボールの向きが外のレバーで変えられるようになっています。ボールの向きを変えることによって水抵抗を変化させることができます。

図:ボールバルブ

ボールバルブは抵抗値無限大まで変化させられるので、その点では電気回路のスイッチに似ていますが、ゼロから無限大の間のどんな抵抗値にもできるので電気回路の可変抵抗器にも似ています。

可変抵抗器の回路記号

普通の可変抵抗器には3本の端子が付いてます。回路記号では下図のようになります。

図:可変抵抗器の回路記号

矢印が付いていない端子の間は固定(変化しない)抵抗器です。矢印が付いている端子はその上を移動できると考えてください(トリマ抵抗器の場合は矢印のかわりにT字形にして区別する場合もあります)。矢印の位置を上の方に移動する(実際にはつまみを回転させる)と、矢印より上側の抵抗が低くなり、下側の抵抗が高くなります。 ですから、端子が3本付いている可変抵抗器は分圧器に使うとつまみの角度で分圧比が変えられますね。
 水回路のボールバルブは入り口と出口しかないので分圧器のような使い方はできません。電気回路の可変抵抗器は分圧に使うのではなく単純に抵抗値が変えられる抵抗器として使う場合は、矢印付きの端子とそれ以外の端子1個の間を使い、残りは使わないか、または矢印の付いた端子に接続しておきます。そういう使いかたの場合は上の図の右下のように略しが記号も使います。

図:可変抵抗器とバルブの対応する利用方法

可変抵抗器の内部構造

下の写真はちょこまカーのトリマ抵抗器の内部構造を示しています。

写真:トリマ抵抗器の内部

カーボンを主成分とするΩ形の抵抗体と、その表面の一か所に接触する摺動子(しゅうどうし、スライダーともいう)からできています。スライダーが接触する位置がつまみを回すと変わります。抵抗体に使う材料はカーボンだけでなくサーメットという材料や合金の細い線なども使われます。

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