電子工作教材ちょこまカーの極意を伝授

抵抗器と細長いホース

 

電気抵抗

日本語の「抵抗」という単語は次のような場合に使います。「改革に対する抵抗」「権力に抵抗する」「運命に抵抗する」などなど。電気回路では電流の流れにくさを「電気抵抗」と言います。電気を略して「抵抗」とも言います。抵抗は大きい(小さい)という場合と、高い(低い)という場合があります。
 電気抵抗の単位はオーム(Ω)です。1オームは1ボルトの電圧をかけたとき1アンペアの電流が流れる抵抗の大きさです。

図:電気抵抗と電圧と電流

上の図で電圧にはE、電流にはIという記号が付いてます。電圧の変数にはEまたはV、電流の変数にはIという記号を使う習慣があります。
 また上の図には電圧が負の領域があります。これは左上の回路図で電圧を定義したときに、電池の上側が負(マイナス電圧)になる場合を意味しています。 その場合電池の記号はひっくり返す必要があると思われるかも知れません。実際に負の電圧をかけるには電池をひっくり返す必要があるでしょう。
 ※ひっくり返さずに正の電圧から負の電圧まで自由に変えられる電源装置もあります
しかしこの場合電池の方向や矢印の方向はどっちを正(プラス)と定義したかを表しているので、定義を変えないことによって、かえって負の電圧がかかったことがわかりやすく表現されるのです。
 下の図は同じ回路で電流の向きを最初から逆にした場合です。定義が違うのでグラフも左右反転(というよりも上下反転)していますが、違う現象が起きているわけではありません。

図:電気抵抗と電圧と電流(電流の定義が逆の場合)

水回路の抵抗

水回路の抵抗は水が流れにくいパイプのことです。5メートルとか10メートルの長さがあるホースに息を吹き込んでみたことがありますか?けっこう太いホースでもびっくりするくらい「抵抗」があります。

図:長いホースは意外と「抵抗」が大きい

ホースが細いほど、また長いほど、抵抗が高まります。水回路の抵抗は細長いホースをイメージするか、または中にスポンジのつまっているホースをイメージするといいでしょう。

抵抗の並列接続

水抵抗を並列接続してみましょう。両方の抵抗に同じ水圧がかかりますが、流れる流量は抵抗が高い方が少なくなります。

図:水抵抗の並列接続

正確に言うと流量は抵抗に反比例します。これは電気回路でもまったく同じですから、電気回路の図は省略します。

抵抗の直列接続

水抵抗を直列接続すると、両方の抵抗に流れる流量は同じですが、かかる水圧は抵抗が高い方が高くなります。

図:水抵抗の直列接続

正確に言うと水圧は抵抗に比例します。抵抗が高い方がそこにかかる圧力が高いというのは、水回路でイメージできるでしょうか。イメージできるといいなと思って説明しているのですが、そのイメージがそのまま電気回路の抵抗と電圧にも当てはまります。

水圧の基準

ここで、水圧を測定する基準について考えましょう。上の図の水圧の矢印はそれぞれの抵抗の横に描いてあるので、実際に測定するなら次の図のようにするはずです。

図:個々の抵抗の水圧の測定


下の図を見てください。もし「ポンプが発生する水圧が、抵抗を通るたびに下がっていき、3個めの抵抗通るとゼロになる」と言われれば、なるほどそういう見方もできるな、と思うのではないでしょうか。 しかしその場合、水圧の基準をいちばん下のパイプ(ポンプで言えば水の入る側)に決めていることを、暗黙のうちに認めているのです。

図:水圧測定の基準を統一する

いちばん上のパイプ(ポンプの水の出る側)に基準を定めるとY, Z, Wの各点は負の水圧になります。

抵抗の回路図記号

電気抵抗は回路図の中ではギザギザの線で表します。または長方形で表す場合もあります。
 ※回路図で使う記号は回路図記号とかシンボルと呼びます。
抵抗を英語ではresistanceと言うので抵抗にはRという記号を付ける場合が多いです。

図:抵抗の回路記号

「抵抗器」というのは電子部品としての抵抗を意味する呼び名です。回路図上では抵抗と呼ぶことが多いです。

電圧降下

では水抵抗が3個直列になった図に対応する電気回路の回路図を見てみましょう。

図:電圧降下について

各部分の電圧を求めるには、まず抵抗の和を電源電圧で割って電流を求め、次に電流とそれぞれの抵抗の積から各部分の電圧を求めます。
 W点、すなわち、いちばん下の配線(直流電圧源の負側)を基準として表したX点, Y点, Z点の電圧をそれぞれVXW, VYW, VZWとします。
 ※ある点を基準にして電圧を比較するときは「電位」という用語を使うこともあります。電位の基準をここに定めたという意味を回路図に▽などの「アース記号」で明示するようにします。
すると、たとえばVXWとVYWの差は V1=I・R1です。これは「電流が抵抗に流れたことによって電圧が下がった」というように見えます。これを「電圧降下」と呼びます。
 この「降下」の部分はちょっとくせ者なので気をつけなければいけません。 たとえば「VXWはR1で発生する電圧降下のためにVXWよりI・R1だけ高くなる」という文は、降下のために高くなるというところがへんですが、正しい文です。「電圧降下」という用語がもともとへんなのです。

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